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2021年度第7回宇宙学セミナーを12/17(金)に開催します。

2021年度第7 (2021.12.17)() 15:00-16:30
講師:川端 裕人 氏(作家)
題名:「宇宙時代に「色覚」を捉え直す」
開催方法:Zoomによるオンライン形式(事前申込制)
申込方法:こちらよりお申込ください

発表概要:
 21世紀になって色覚の研究が飛躍的に進んでいます。霊長類の中でヒトは「3色覚+2色覚」の多型を持つ珍しい種で、その状態がヒトとしての「正常な多様性」であることが分かってきました。かつて劣った色覚だと観念されてきた先天色覚異常が、実は解像度やコントラスト検知に有利なメカニズムを備え、ヒトが様々な環境に進出するのに役立ってきことも進化生物学的な支持を得つつあります。
 では、宇宙はどうでしょう、月や火星などモノトーンの世界では、むしろ2色覚が有利な新たな環境になるかもしれないという考えもあります。こういったことを解明するのは、これからの宇宙医学(宇宙眼科学?)のテーマとなるかもしれません。
 また、宇宙における居住空間で、どのような色彩デザインを採用するのか、今後、議論が必要になってくると思われます。日本は、かつて、先天色覚異常をめぐる差別が世界でも飛び抜けて激しかったこともあり、当事者を中心に色のバリーフリー化のノウハウが蓄積されてきました。今後、多くの人が宇宙に居住するようになるとき、日本は色のバリアフリーを織り込んだ色彩デザインそのリーダーになりうる潜在力を持っていると注意喚起したいと思います。