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image有人宇宙学は、「人間-時間-宇宙」を繋ぐ新しい総合科学であり、時間スケールによって4つの進化過程に大別できます:

【100億年スケール】
宇宙の進化: 銀河系、太陽系、そして地球の海が形成されます。人類が住める宇宙環境はどのように実現されたか、また実現していくかを調べます —> 宇宙を知る。

【1億年スケール】
生命の進化: 生命の海から陸、遂には宇宙に至る進化がおこります。人類が宇宙で生存するために、食料となる植物が宇宙で生存できるかを調べます —> 宇宙を生きる。

【1万年スケール】
文明の進化: 知能を持った人類が村・町から巨大都市を形成していく過程です。宇宙という特異な重力環境下で人類の知的作業がどのように変容し、その結果として人間の作る社会がどのように変貌して行くかを調べます —> 宇宙を考える。

【100年スケール】
宇宙開発の進化: ロケット・人工衛星を作り、将来的には月・火星に到達する過程です。人類が安全に宇宙に行き、恒久的に生活・仕事をする技術を開発します —> 宇宙を作る。


image パラボリックフライトを用いた微小重力環境における時空間認知を分析する研究教育活動

本研究教育活動は、パラボリックフライトを利用した微小重力環境下で社会心理学的実験および空間認知実験を行うことにより、人類が地球上で獲得してきた空間認知力が宇宙でどのように変容し、それが人間にどのような社会心理学的影響を与えるかを調査することを目的とする。また、学生を実験の被験者とし、微小重力環境を実地体験させることにより、地球重力という束縛から逃れた新しい環境での教育活動の創出をめざしている。パラボリックフライトは、航空機による自由落下飛行により1回のフライトで5~7回の微小重力状態(各約20秒間)を作り出すことができる手法であり、宇宙飛行士の訓練や各種実験環境として用いられている。

本研究教育活動活動は、総合有人宇宙教育拠点として実績を持つ宇宙総合学研究ユニットが中心となり、また長年にわたり霊長類の社会的認知・認知進化の研究を行ってきた霊長類研究所と、教授システム開発や教育アセスメントの専門家を擁する高等教育研究開発推進センターとが連携することで、社会や世界に類を見ない独創的な異分野融合の研究教育活動を推進する活動である。

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image 宇宙における木材資源の実用性に関する基礎的研究

宇宙は人類にとって新しい科学的発見の場であり、技術革新を導いてきました。近年、宇宙開発・宇宙利用が著しく進み、宇宙は人類にとって進出可能な新世界となりました。そう遠くない未来に、宇宙に新たな社会が創出されることが予想されます。しかし、実際に人類社会が宇宙に広がることを可能にするためには、多くの課題があります。その課題のひとつは、宇宙における持続可能な社会基盤を構築するための材料資源をどこから調達するかです。

本研究の目的は、再生可能な資源であり、人類が地球上で生存し文明を創り上げることを可能にした木材資源の宇宙利用を実験的に明らかにすることです。木材の真空中での特性を明らかにすることによって、具体的な木材資源の宇宙利用方法を考察します。木材は衣食住に関わる全てにおいて、人類にとって貴重な資源です。木材資源を宇宙で調達することができ、また有効に使うことができれば、人類の宇宙展開にとって、大きな課題のひとつが解決されることになります。
2018年3月27日 第1回 宇宙木材ワークショップ ==> プログラム: PDF
2018年12月14日 第34回 宇宙構造・材料シンポジウム ==> 発表資料: PDF
2019年3月29日 第2回 宇宙木材ワークショップ ==> プログラム: PDF



image 花山天文台における系外惑星観測

2017年1月より花山天文台において系外惑星観測を行っている。 系外惑星とは、太陽系外の恒星の回りを公転している惑星のことを意味し、 現在まで約4000個の系外惑星が発見されている。 系外惑星はその直径によって木星型、海王星型から地球型まで分類される。 現代天文学において系外惑星が非常に脚光を浴びているのは、 ホット・ジュピター(高温木星型)と呼ばれる主星のすぐ近くを 巨大な木星サイズ(地球直径の約10倍)の惑星が回っているような太陽系とは まったく異なる惑星系の存在が明らかになったことや、 液体の水が存在できるような軌道を回っている地球型の惑星が発見されたことによる。 地球型惑星に液体の水が存在しているならば、生命の存在が期待される。

花山天文台における系外惑星観測は、株式会社高橋製作所及び文部科学省宇宙航空技術推進委託費の支援を受けて、 学生の研究教育活動を担う目的で始められた。右図に現在の系外惑星観測システムを示す。 花山天文台露場にあるスライディングルーフ観測小屋に、口径13センチの屈折望遠鏡が2台設置されている。 屈折望遠鏡は対物レンズによる集光を行っているため、 反射望遠鏡のように鏡筒が開放されておらず2次鏡による光の回折現象もないため星像が安定している。 屈折望遠鏡には冷却CCDカメラが取り付けられている。望遠鏡の動作及びCCDカメラによる撮像は、 花山天文台新館にある観測室から遠隔操作される。撮影した画像は、 花山天文台のコンピューターネットワーク内のデータストレージシステムに記録され、京都大学キャンパスからもアクセス可能である。

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研究活動人類の宇宙への展開を探求しよう