2018年5月1日 宇宙人類学(木村大治)
宇宙人類学の視点から、宇宙人とは何か?について説明する。
人類学とは他者を考える学問である。他者を考えることで自己の理解が深まるため、他者を考える必要がある。
他者として極端な事例を考えることには利点があり、宇宙人類学では、極端な他者として宇宙人を考える。
学生と宇宙人の定義について双方向の議論を行いつつ、
知的生命体とは何か、我々が宇宙人的と呼ぶ人々がいるが彼らはどういったものなのかについて解説を試みる。
また、宇宙人に実際に会ったことがない我々にとって「宇宙人という表象」はどういったものなのかについて説明を行い、
我々が宇宙人と呼ぶものには、何かの点が人間離れしているが、
しかし人間と共通部分を持っているという特徴があることを指摘する。
知的生命体探査のSETIプロジェクトを例に挙げ、このプロジェクトに関わる研究者達も、
宇宙人像にある種のバイアスがあり、電波メッセージを理解し、
数学的・物理的法則を理解している者というようなイメージを持っていることを指摘する。
これらより人類は宇宙人を「人間の引き延ばし」(どこか人間離れした性質をもった者)として表象している場合があると指摘し、
宇宙人を考えることで人類の理解が深まる事を示す。