2018年5月29日 宇宙飛翔体工学(稲谷芳文)
ロケットの将来と目指すべき次のゴールについて解説する。
宇宙飛翔体の基礎として、
国際宇宙ステーションのように地球の周回軌道を回るためには秒速8 kmを出す必要があること、
車(秒速30 m)や飛行機(秒速300 m)と比較すると、
ロケットが秒速8 kmを出すには、多量のエネルギーが必要で、
性能の良いロケットを作るためには、より多くの燃料が搭載でき、
機体自体は軽量であることが重要であること、
液体ロケットや固体ロケットなどもあり、
軽量化するにはカーボンナノチューブなどが用いられていることを解説する。
現状として、アメリカのスペースシャトルが退役し、有人輸送はロシアのソユーズが担っており、
ソユーズは50年間の運用実績があるが、新たな有人輸送ロケットの誕生も必要であることを紹介する。
また、日本ではH2Aロケットが打ち上げられているが、
1回100億円のコストが必要で、1 kg打ち上げるのに100万円かかることを示し、
宇宙輸送の需要を満たすためには、この高額なコストを下げる必要があることを指摘する。
将来的な需要として宇宙旅行を例に挙げ、
1人100万円で宇宙旅行ができるようになれば一般からの需要増も見込め、
ビジネスとして成立するが、
ロケットの打ち上げ成功率を大幅に向上させる課題が残っていることを紹介する。
アメリカではIT長者たちが宇宙ロケット産業に進出しており、
今後大きく発展していく可能性について紹介する。