宇宙倫理学研究会
宇宙倫理学研究会
お知らせ
(2018.02.23) 研究会メンバーの呉羽、伊勢田、磯部、大庭、近藤、杉本、玉澤が執筆した「将来の宇宙探査・開発・利用がもつ倫理的・法的・社会的含意に関する研究調査報告書」の正式版が公開されました。詳細
(2017.12.25) 日本惑星科学会誌『遊星人』第26巻第4号(2017/12/25発行)に研究会メンバーの呉羽が宇宙倫理学の解説記事を寄稿しています。『遊星人』のウェブサイト
(2017.06.14) 『現代思想2017年7月号 特集=宇宙のフロンティア』(2017/6/26発売)に研究会メンバー(磯部、稲葉、呉羽)が寄稿しています。
出版社ページ
(2016.12.12) 稲葉振一郎氏の新刊『宇宙倫理学入門』が刊行されます。
出版社ページ
(2016.05.27) 研究会メンバーが執筆した報告「宇宙倫理学の現状と展望」がJAXAリポジトリより閲覧できるようになりました。
JAXAリポジドリへのリンク
※ 研究会からのお知らせは、京都大学大学院文学研究科CAPE(応用哲学・倫理学教育研究センター)のウェブサイトでも発表しております。
京都大学大学院文学研究科CAPE(応用哲学・倫理学教育研究センター)のウェブサイト
設立の主旨
「宇宙倫理学」とは、人間と宇宙との関わりにおいて生じうる様々な道徳的問題を検討する分野で、応用倫理学の最先端と言えます。
火星や小惑星への探査が進み、民間宇宙旅行の夢に現実味が出てきたのを目にして、わたしたちは宇宙空間が次第に身近なものになりつつあるという実感を覚えます。また、このままでは近い将来に破局をもたらす資源問題や人口問題に直面し、小惑星や彗星の衝突による絶滅の可能性を認識して、宇宙資源の開発や宇宙への移住すらも存続のための選択肢として真剣に考慮する必要に迫られているのかもしれません。こうして、21世紀に生きるわたしたちにとってその活動領域を宇宙へ拡大させることは、単なる夢ではなく一つの現実的な課題という意味をもっていると言えるでしょう。
しかし人間の宇宙進出は、既存のシステムでは対応できないような倫理的/法的/社会的問題を生み出すことが予想されます。そこで、これらの問題に体系的な仕方で取り組み、「宇宙を活動領域とする生物としてわれわれがどう生きるべきか」を理解することを目指して、本研究会を設立しました。
活動の概要
ビジネスや科学・技術、安全保障といった形での宇宙利用に関わる現実的な問題から、宇宙規模の環境問題、人間の身体・精神・社会の変容、地球外生命との遭遇といったSF的な問題まで幅広く扱います。
具体的な活動予定としては、年に数回の例会を開催することを通して宇宙倫理学および隣接分野(宇宙政策など)のこれまでの議論状況を紹介しつつ、国内では初、世界でも有数となる宇宙倫理学論文集の刊行を目指しています。
参加メンバー
- 伊勢田哲治(代表/京都大学大学院文学研究科・宇宙総合学研究ユニット)
- 磯部洋明(京都大学大学院総合生存学館・宇宙総合学研究ユニット)
- 稲葉振一郎(明治学院大学社会学部)
- 大庭弘継(京都大学大学院文学研究科)
- 岡本慎平(尾道市立大学)
- 神崎宣次(副代表/南山大学・京都大学大学院文学研究科CAPE)
- 呉羽真(大阪大学先導的学際研究機構共生知能システム研究センター)
- 清水雄也(一橋大学大学院社会学研究科)
- 杉原桂太(南山大学理工学部システム数理学科)
- 杉本俊介(大阪経済大学経営学部)
- 玉澤春史(京都大学大学院理学研究科附属天文台)
- 水谷雅彦(京都大学大学院文学研究科・宇宙総合学研究ユニット)
- 吉沢文武(工学院大学教育推進機構国際キャリア教育部門)
主催
本研究会の活動は科研費補助金研究・挑戦的萌芽研究「人類の宇宙進出に伴う宇宙倫理学確立のための基礎研究」(課題番号:16K13149, 研究代表者:神崎宣次)のサポートを受けています。
過去の企画
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- 特別ワークショップ「地球外知性体とのコンタクト――科学哲学、言語哲学、人工知能から考える」
日時:2017年8月19日(土) 15:30-18:30
場所:京都大学総合研究2号館地下 文学部第8講義室( 本部・西部構内地図の34番建物の地下1階南東角)
提題:久木田水生氏(名古屋大学大学院情報科学研究科・准教授)、呉羽真氏(京都大学宇宙総合学研究ユニット・特定研究員)、西尾香苗氏(生物系翻訳者)、戸田山和久氏(名古屋大学大学院情報科学研究科・教授)「アストロバイオ構成主義――エイリアン科学と科学のエイリアネーション」
大澤博隆氏(筑波大学システム情報系・助教)「宇宙人-エージェントインタラクション(AAI)について――HAI研究の宇宙への拡張」
柏端達也氏(慶應義塾大学文学部・教授)「地球外の何かとの接触に付随しうるコミュニケーションの可能性について(哲学的所見)」
プログラム
- 特別ワークショップ「地球外知性体とのコンタクト――科学哲学、言語哲学、人工知能から考える」
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- 特別ワークショップ「宇宙探査・開発の倫理学」
日時:2017年3月26日(日) 16:00-18:00
場所:京都大学総合研究2号館文学部第8講義室
( 本部・西部構内地図の34番建物)
提題:青木滋之氏(会津大学・上級准教授)「アメリカ宇宙法の哲学的諸問題」
古田徹也氏(新潟大学・准教授)「絶対的価値と相対的価値 ――宇宙探査・開発の意義についての一視点」
本企画は、SPIRITS学際型プロジェクト 「将来の宇宙開発に関する道徳的・社会的諸問題の総合的研究」(代表者:呉羽真)と宇宙倫理学研究会との合同開催です。
- 特別ワークショップ「宇宙探査・開発の倫理学」
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- 特別対談企画「宇宙の道と人の道――天文学者と倫理学者の対話」
日時:2016年10月24日(月) 16:30-18:00
場所:京都大学理学研究科セミナーハウス(北部構内地図の10番建物)
対談者:柴田一成(京都大学大学院理学研究科・教授)
伊勢田哲治(京都大学大学院文学研究科・准教授)
本企画は宇宙ユニットの「宇宙学セミナー」の一環として行われました。
セミナー時画面, 文字起こし原稿, youtubeliveでの配信映像
- 特別対談企画「宇宙の道と人の道――天文学者と倫理学者の対話」
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- 特別レクチャー「Reimagining Icarus: Defining the Ethical and Legal Parameters for Human Space Exploration」
スピーカー: Dr. Sara M. Langston (Senmurv Consulting LLC)
日時: 2016年10月7日(金)16:30-18:00
場所: 京都大学文学部一階会議室(本部・西部構内マップの8番の建物)
本企画は、京都大学大学院文学研究科CAPEの「第86回CAPEレクチャー」との共同開催となります。
CAPEでのアナウンスページ
- 特別レクチャー「Reimagining Icarus: Defining the Ethical and Legal Parameters for Human Space Exploration」
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- 第5回例会 「宇宙倫理学公開読書会その4」
日時:2016年7月3日(日) 14:30-18:00
場所:京都大学文学部校舎1階第1講義室 アクセス
概要:Jai Galliottの編集した論文集Commercial Space Exploration: Ethics, Policy and Governance (Ashgate, 2015)をとり上げて、宇宙開発利用に関する倫理学の議論状況を紹介・検討します。
担当:伊勢田・岡本・神崎・呉羽・清水・吉沢(50音順)
プログラム
本企画は科研費補助金研究・挑戦的萌芽研究「人類の宇宙進出に伴う宇宙倫理学確立のための基礎研究」(課題番号:16K13149, 研究代表者:神崎宣次)のサポートによって行われました。
- 第5回例会 「宇宙倫理学公開読書会その4」
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- 第4回例会 「宇宙倫理学公開読書会その3」
日時:2016年3月25日(金) 14:00-18:00
場所:京都大学東一条館2階大講義室 アクセス
概要:Jai Galliottの編集した論文集Commercial Space Exploration: Ethics, Policy and Governance (Ashgate, 2015)をとり上げて、宇宙開発利用に関する倫理学の議論状況を紹介・検討します。
担当:大庭・岡本・神崎・呉羽・清水・杉本(50音順)
プログラム - 第3回例会 「宇宙倫理学公開読書会その2」
日時:2015年12月20日(日) 13:30-18:00
場所:京都大学東一条館2階大講義室 アクセス
概要:Eugene C. Hargroveの編集になる論文集Beyond Spaceship Earth: Environmental Ethics and the Solar System (Sierra Club Books, 1986)をとり上げ、宇宙倫理学のこれまでの研究を紹介・検討します。
担当:伊勢田・岡本・神崎・呉羽・清水・杉本・吉沢(50音順)
プログラム - 第2回例会 「宇宙倫理学文献検討会」
日時:2015年8月31日 14:30-18:00
場所:京都大学文学部校舎1階第1講義室 アクセス
概要:UNESCOの報告書’The Ethics of Space Policy’と、Space Policy誌の特集’Space Ethics in Context’を中心に、宇宙倫理学のこれまでの研究を紹介・検討します。
担当:伊勢田・岡本・神崎・呉羽・清水・杉本(50音順)
プログラム
- 第4回例会 「宇宙倫理学公開読書会その3」
その他活動
- 2017年9月9日(土) 京都生命倫理研究会にて稲葉振一郎氏の著書『宇宙倫理学入門』の合評会が行われました。詳細(京都生命倫理研究会のウェブサイト)
- 2016年9月18日(日)京都大学アカデミックデイ2016の座談会に研究会メンバー(呉羽) が出展しました。関連情報
- 2015年10月4日(日)京都大学アカデミック・デイに宇宙倫理学研究会のメンバー(呉羽、清水、吉沢、玉澤) が出展しました。間連情報
資料集
- 「宇宙進出と倫理学(宇宙倫理学事始)」 伊勢田哲治、水谷雅彦(第6回宇宙ユニットシンポジウム講演資料)
- 「環境倫理学と宇宙開発」神崎宣次(2015年宇宙ユニットシンポジウム講演資料)
- 「宇宙倫理・ロボット倫理・ヒューマン・エンハンスメント倫理の交差点」稲葉振一郎
- 「ひとは宇宙へ飛び立つべきか?」呉羽真、玉澤春史、吉沢文武、清水雄也(京都大学アカデミックデイ2015配布資料)
- 「宇宙開発の道徳的正当性ー宇宙政策への規範的アプローチ」呉羽真(2015年科学技術社会論学会発表資料)
- 「宇宙での商業活動における公正さ:ビジネス倫理の観点から」清水雄也、大庭弘継、岡本慎平、神崎宣次、杉本俊介(2016年宇宙ユニットシンポジウムポスター発表資料)
- 「人類絶滅のリスクと宇宙開発」呉羽真(2016年宇宙ユニットシンポジウム講演資料)
- 「宇宙倫理学の現状と展望」呉羽真、伊勢田哲治、磯部洋明、稲葉振一郎、岡本慎平、神崎宣次、清水雄也、水谷雅彦、吉沢文武(宇宙航空研究開発機構特別資料JAXA-SP-15-017『人文・社会科学研究活動報告集 2015年までの歩みとこれから』収録)(2016年3月7日発行,5月26日JAXAリポジトリ登録)
- 「宇宙倫理学と宇宙人類学」呉羽真(2016年地球惑星連合大会・京都大学ブース内ミニ講義)
- 「宇宙の道と人の道ーー天文学者と倫理学者の対話」柴田一成・伊勢田哲治(宇宙倫理学研究会特別対談企画)
- 「地球外知性とのファーストコンタクトが人類に何をもたらすかを学問的に考える」呉羽真(2016年京都大学花山天文台一般公開ミニ講義)
- 「宇宙探査を巡る政策的問題に対する政治哲学からの貢献」呉羽真(JpGU-AGU Joint Meeting 2017)
- New! 「将来の宇宙探査・開発・利用がもつ倫理的・法的・社会的含意に関する研究調査報告書」呉羽真・伊勢田哲治・磯部洋明・大庭弘継・近藤圭介・杉本俊介・玉澤春史