目的・概要
宇宙総合学研究ユニットの目的
宇宙研究は広い分野にまたがる高度な工学、理学、その他の学問領域の有機的連携を必要とする総合科学です。 特に近年、人類の宇宙空間の利用が進むにつれ、宇宙に関係する分野は環境・エネルギー科学、 医学・生命科学、情報科学、さらには人文社会系学問にまで広がっています。 幅広い分野で第一線の研究者を抱える京都大学の強みを活かし、宇宙理工学に関する基礎研究を推進すると共に、 学際的、総合的な新しい宇宙研究を開拓することが宇宙総合学研究ユニット(以下、宇宙ユニット)の目的です。 宇宙航空研究開発機構(JAXA)等の学外機関との連携において、京大の宇宙分野を束ねた窓口としての機能も果たしています。
2018年度は、3名の専任教員、約80名の併任教員、7名の非常勤教員が在籍しています。
構成員リスト
教育・人材育成
2014年度から文部科学省のプロジェクト経費「宇宙開発利用を担うグローバル人材育成のための宇宙学拠点の構築(宇宙学拠点)」 が採択され、JAXA・和歌山大学との連携のもと、分野横断型の総合的な宇宙の研究と教育・人材育成を推進しています。 2016年度から、文部科学省の宇宙航空科学技術推進委託費でのプロジェクト 「有人宇宙活動のための総合科学教育プログラムの開発と実践」を開始し、 全学共通科目「宇宙総合学」やユニット教員による学部1回生向けILASセミナーの提供など、 京都大学の学部教育にも協力しています。 2017年度から宇宙学拠点が基幹経費として認められ、期限付き部局であった宇宙ユニットが、 総合的な宇宙の研究・教育を行う組織として存続することとなりました。 詳細
研究
宇宙ユニットには、宇宙学拠点に設置された5つの研究部門 (宇宙環境学部門、宇宙センシング部門、宇宙文明学部門、社会連携部門、有人宇宙学部門)と、 株式会社ブロードバンドタワーとの共同研究部門(宇宙総合学研究部門)があり、 学内の併任教員や学内外の共同研究者と連携して、様々な特色ある研究を推進しています。
詳細
また2010年度から2013年度までは、 JAXA宇宙科学研究所(ISAS)と宇宙ユニットでは、 宇宙ユニットに宇宙総合学ISAS連携研究部門を設置して、 「宇宙環境の総合理解と人類の生存圏としての宇宙環境の利用に関する研究」を行いました。 具体的には、「太陽物理学を基軸とした太陽地球環境の研究(理学分野)」と 「宇宙生存圏に向けた宇宙ミッションデザイン工学に関する研究(工学分野)」 の2つを柱として、新しい融合・萌芽・学際研究の発掘と成果の創出とを指向した研究を行いました。 この共同研究が2014年度から始まった「宇宙開発利用を担うグローバル人材育成のための宇宙学拠点の構築」 の一つの基盤となっています。
社会連携活動
宇宙ユニットの研究成果を発信するとともに、 大学・学術コミュニティ外の様々な方との対話と通した 一般の方も参加できるシンポジウムや講演会、ワークショップなど 様々な科学コミュニケーション活動を行っています。
詳細
他機関との連携
宇宙ユニットは様々な部局にまたがっている宇宙に関連した京大の研究者を 束ねた組織として、学外の様々な機関と連携しています。
宇宙航空研究開発機構
日本の宇宙開発利用の中核機関である独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)と 京都大学の間では、平成20年4月21日に連携協力に関する基本協定を結ばれています。 本連携で宇宙ユニットは京大側の窓口の役割を果たします。
京大プレスリリース JAXAプレスリリース
和歌山大学
宇宙を題材にした特色ある教育活動を行っている宇宙教育研究所を擁する和歌山大学は JAXAとともに宇宙ユニットの「宇宙学拠点」の連携機関となっています。
京都精華大学
京都精華大学は芸術、デザイン、マンガ、人文の4学部を擁し、 「表現の総合大学」として幅広い表現領域で先進的な取り組みを 行っています。京都大学と京都精華大学は、教育、研究及び 社会貢献活動の一層の推進を図ることを目的とした協定書を 2008年に交わしました。
連携協力協定のプレスリリース
この協定に基づき、宇宙ユニットと京都精華大学では、京都精華大学の持つ 教育研究資源を通じた宇宙科学の最新成果の発信と、宇宙科学とアートの 融合による新しい文化の想像を目的としたプロジェクトを推進しています。
「宇宙とアート」プロジェクト開始のプレスリリース
沿革・組織図
沿革
2008
4月―宇宙総合学研究ユニット発足
(初代ユニット長 : 小山勝二 理学研究科教授)
京都大学と宇宙航空研究開発機構(JAXA)が「連携協力に関する基本協定書」に調印
5月─専任教員1名着任(学術創成研究費「宇宙天気予報の基礎研究」)
2009
4月―第2代ユニット長就任(柴田一成 理学研究科教授)
2010
4月―JAXA宇宙科学研究所(ISAS)との共同研究「宇宙環境の総合理解と人類の生存圏としての宇宙環境の利用に関する研究」の開始、専任教員3名の着任。
2011
4月―第3代ユニット長就任(斧高一 工学研究科教授)
2012
10月―「宇宙総合学研究部門(ブロードバンドタワー共同研究部門)」の設置。
12月―日本リモートセンシング学会および財団法人宇宙システム開発利用推進機構との共同研究「衛星画像利用促進に関する研究」の開始。
2013
4月―学際融合教育研究推進センターの教育研究連携ユニットとして改組。第4代ユニット長就任(谷森達 理学研究科教授)
2014
4月―文部科学省特別経費プロジェクト 「宇宙開発利用を担うグローバル人材育成のための宇宙学拠点の構築」の開始。宇宙環境学、宇宙センシング学、宇宙文明学、社会連携、4部門の設置。専任教員・研究員4名の着任。大学院教育「宇宙学」の開始。
2015
4月―第5代ユニット長就任(家森俊彦 理学研究科教授)
2016
8月―文部科学省宇宙航空科学技術推進委託費事業 「有人宇宙活動のための総合科学教育プログラムの開発と実践」の開始。
2017
4月―「宇宙開発利用を担うグローバル人材育成のための宇宙学拠点の構築」の基幹経費化。 宇宙学拠点内に「有人宇宙学部門」を設置。 第6代ユニット長就任(長田哲也 理学研究科教授)